PC-9821Cr13/T(CanBe Jam)のHDDをCF化してみる

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説明

PC-9821のIDE HDDですがDOS/V用の大容量のHDDは使えません。
どの機種から仕様が変わってるかわかりませんがだいたい、A-MATEあたりは540MBまで、X-MATE,VALUESTAR(MMX無)は4.3GBまで、
後期に発売されたVALUESTAR(MMX有)R-MATEは8.4GBまでらしいです。
要するにHDDが壊れた時交換しようと思ったら4.3GBとか小容量すぎて今では入手困難なHDDでないと使えません。


ということで最近はCF->IDE変換アダプタを使ってCFをHDDの代わりに使うのが流行りです。
CFであれば秋葉原で1GB-4GBの容量が1000円〜で購入出来ます。
また動作音しないので静かですが、HDDより書き換え回数は少ないです。


CFがどうしてHDDとして使えるかというのは、CFの規格で「PCカードATA仕様」、「True-IDE仕様」があり
電源投入時にCF 9Pinの-OE(-ATASEL)がHであればPCカードATA仕様、LであればTrue-IDE仕様とモードが変わります。
True-IDEモードであればHDDと同じように使えます。


他にはPC-9821でもPCIスロットがある機種であればSilicon Image製のPCIバス用ATAカードに非公式の大熊猫BIOS
書き込んでSerialATAのHDDを接続することも可能です。
便利ですが対応しているカードが今では入手しにくいのでちとめんどいです。
大熊猫のぺぇじ

Buffalo IFC-PCI7IU2 (Sil3512 + VIA VT6214L)
自分用メモ:PC-98上で書き換えれる。基板上のDIP-SWをNo Boot側に切り替えて起動。起動後Boot側にDIP-SW切り替えて、UPDFL98で書き込み。

玄人志向 ATA133PCI (Sil680ACL)
自分用メモ:DOS/V上で書き換える。UPDFLASH3で書き換える。

PC-9821Cr13/T(CanBe Jam)とは


1996年2月発売。カタログキャッチコピーは「どこでも、気ままにキャンビーする。」
見た目がミシンのような形で重さが13kgと結構重い。定価は39万8千円。
PC-9821Cr13/T model Aは一太郎6.3、model BはMicrosoft Word 95が付属します。
CanBeシリーズはTVチューナー標準装備など家庭向けマルチメディアパソコンという位置づけで値段がX-MATEと比べると高く、拡張性が低いです。
このPC-9821Cr13/Tではメモリ以外は基本的に増設、交換できない設計なので最悪の部類ではないでしょうか。
本体を分解すればHDDも交換出来ますが、半分くらい分解する必要があります。
TVチューナーがCバスの形してますが抜くとコネクタの大きさが違うので独自仕様です。
いいところはスピーカーの音がいいのとモニタ付きなのが良いのかも。
(よく考えなくてもノートPCのほうが場所とらなくていいよね…)

スペック

基板の写真撮ったので備考に型式書いておいた。


項目 Spec 備考 写真
CPUボード _ G8VYA Rev A10
ROM BIOS _ VYA2F02
CPU Pentium 133MHz(Socket 5) _
Chipset Triton(i430FX-66) intel SB82437FX66(Host-PCI Bridge)
intel S82438FX(Data bus Bridge)x2個
IDEコントローラ _ NEC GHOST-NT
Memory オンボード16MB+32MBx2枚=MAX 80MBまで オンボード Samsung KM48C2100ALJ-6(2MBx8個=16MB)
Video 640×480、800×600、1,024×768 CIRRUS LOGIC CL-GD7548-85QC-B
(Video DAC with Color Palette RAMDAC)
音源 PCM・FM・拡張FM音源 YAMAHA YMF297-F

Crystal Semiconductor CS4232-KQ
(Games Compatible Plug-and-Play Audio System)
モデム 14,400bps、FAX機能 _ _
TV機能 TVチューナ、外部ビデオ入力、キャプチャ機能 _ _
FDD 3モード NEC FD1231T
P/N 134-506790-012-0
HDD 850MB Seagate ST3851A(Conner CFS850A)
CD-ROM 4倍速 4連装 日本電気ホームエレクトロニクス PC-CD400D/4
赤外線通信 IrDA 115,200bps _ _
PCカードスロット TYPEII×2スロット(TYPEIII×1スロットとして使用可) CIRRUS LOGIC CL-PD6720QC-B
(ISA-to-PC-Card Host Adapter)
モニタ 10.4インチTFT 640x480 _ _
スピーカ ステレオアンプ内蔵、スーパーウーファー付き _ _
電源 _ タムラ製作所 808-891965-001A PU748
バックアップ電池 2次コイン電池(充電可) Panasonic VL2330 50mAh(バナジウムリチウム)
OS Windows95 _ _


こち亀に出てくるモンスターマシン以下の性能。

買うもの

CF-IDE変換アダプタ CFIDE-401LA (変換名人)
CF-IDE変換|変換名人


店頭で買うときはピンが曲がってる事があるので確認して買ったほうがいいです。
CFが2枚挿せるやつとかもありますがPC-98はSlave側は認識できないみたいなのでMaster側のCFしか使えません。

2GB CF CARD(133X,TYPE I) TS2GCF133(Transcend)
133x コンパクトフラッシュ-メモリカード 133x Compact Flash Card, For Entry-level DSLR Cameras, For Entry-level , Professional CompactFlash Card, Full HD Video Recording


電源ケーブル D2-1503A(Ainex)
D2-1503A | Ainex
CF変換基板に電源供給するのにコネクタFDD用電源コネクタなので変換します。

スペーサー ネジM3-高さ1cm SFA-310(テイシン電機)
取り付ける場所がないときどこかに穴あけして止めます。
日本橋の共立で売ってたのはこれでした。

分解

分解したパーツごとにネジを小袋に入れてメモ書くといいです。
分解して適当に掃除したので起動できる最低限の状態に復旧する。

1.外装を取る
後ろのカバーはビス止め。左右のカバーはツメで止まってます。
前のカバーのビスは液晶の下にあります。全面はマザーボードを取るまで外せません。
左右のカバー取る前にFAXボードとTVボードを抜いておくこと。
CD-ROM上のリセットボタンが無くしそうなので外しておくこと。






2.金属カバー取る
取ってを外して、金属のカバー取ります

3.ウーハーを取る


4.背面のIOパネルを取る

5.HDDを取る

6.TV/FAXボードのライザーカードを取る

7.休憩
この状態がPCを起動可能な最小構成です。

8.マザーボード外します。

9.前面パネルを外します。
裏からビス止めされてます。またLCDの信号線のケーブルについてるネジを外します。



10.前面の基板2個を外します。

11.FDD外します。

12.CD-ROM外します。

13.電源ユニット外します。

14.完了

HDD→CFへのデータのコピー

元々HDDにWin95が入ってるのでそれをCFにコピーします。
まず起動ディスクを作ります。


1.WindowsのFDフォーマット時に「システムファイルのコピー」にチェックを入れてFDフォーマットします。
2.Windowsフォルダの中のCommandフォルダにDOSのツールがあるので必要な物をFDにコピーします。
(DELTREE.EXE , DISKCOPY.COM , DISKINIT.EXE , FDISK.EXE , FORMAT.COM SYS.COM , XCOPY.EXE , XCOPY32.EXE とか他に好きなの入れる)

3.FDにDRVCPYを入れます。(ネットで落としてUSB-FDDとかで転送する)
PC-9821およびDOS/Vソフトウェアのページ
4.電源落としてHDDを外してCFをつなぎます。
5.電源入れる
6.DISKINITでCF初期化

7.FDISKで領域作成(領域作成後 BOOT可にすること)

8.再起動
9.FORMATする
10.電源落としてCD-ROMがつながってるIDEコネクタにHDDを挿す
(写真は逆にCD-ROMの方にHDDつけてる)

11.電源入れる
12.DRVCPY でHDDの内容をCFにコピーする。(セクタごとコピーするのでセクタサイズが同じでないとコピーできない)

13.電源落としてHDD外す
14.電源入れてCFから起動



注意1.Canbeがグラフィック起動モードだと色々めんどいのでテキスト起動モードにする
(HELPキー押しながら電源ONで設定メニューが出る。)


注意2.元々Windows95DOS窓上からXCOPY32でCFにコピーする(DOSで起動してXCOPY32するとコピーうまくできません)
つもりだったけど何故かCF(CD-ROM用IDEコネクタに接続した時)が破損してますというメッセージが出るというおかしなことになった。
原因わからないけどとりあえずDOS上でセクタごとコピーするDRVCPYを使うことにした。CFをCD-ROM用IDEコネクタに接続した状態で
Win95を起動するとおかしくなる?けど原因不明。


注意3.HDDやらCFをつなごとうとするとIDEケーブルやらHDDの電源コネクタが足らなくなります。
HDDの電源コネクタは本体から分岐するコネクタ使うか、USBHDDケースを用意してそこから電源供給した。
IDEケーブルはDOS/V用のを使おうとすると、コネクタの一部の穴がふさがっているのでそのままでは使えない。
細いドリルで穴あけして無理やり使った。

CF変換基板ビス取り付け

CF変換基板をHDDが付いていた場所につけてしまうとCFを交換したいときに本体をまた分解しないといけない。
めんどくさいのでメモリ交換用の穴からCF交換できるようにしてみた。


1.TVチューナーボードがついてたライザーカードの出っ張ってる板みたいなのを曲げます。
(曲げたあとTVチューナーボードと干渉しないか確認する)


2.曲げた場所に3ミリのビスが入る穴を2個開ける。(穴と穴の間隔5.4cm)


3.スペーサーをつける


4.CF基板取付

5.本体に組み込んでケーブル付ける。

6.電源入れて起動確認


7.ばらした本体を元に戻す


完成だヽ(・ω・)ノ


HDDの音がしなくなってファンがうるさいのが気になる…